基礎と土台(ねこ基礎)


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 腐敗や白アリに強い材木を土台に使いたいという考えは、一般のかたもうなずかれると思いますが、基礎と土台の区別が素人のかたには少々難しいようです。コンクリートの部分を基礎(布基礎ともいう)、材木の部分を土台と呼びます。この土台が腐りやすく、また白アリにやられるところです。ちなみに公庫住宅の仕様では、防腐剤処理を施した土台を使うよう指定されています。

 土台は、湿気の多い状態が長いと腐敗が進み、白アリに食われやすくなるため、通気をよくし常に乾燥した状態に保つのが理想です。しかし今日の建築は、基礎の上、直に土台を敷くので、コンクリートを通して上がってくる土からの湿気が土台の中に残ることになります。そこで両者の間にルーフィングやビニールシートを敷いて、基礎の湿気を伝わりにくくする方法を取ったりします。気を配った工事です。

 それでも土台が基礎と接触しているので完全とはいえません。そこでより上級の仕事としては、土台と基礎との接する面積を少なくして浮かせたようにする工法があります。この工法で出来た基礎を通称「ねこ基礎」といいます。こうすると床下の通気がよく、土台も乾燥し白アリや腐敗に対して大きな効力を発揮します。家の耐久性は大幅に向上します。

 なお土台を浮かせるために用いる矢印の部分は、モルタルで基礎と一体に仕上げる方法のほか、ヒバや栗の木、御影石、銅板などをパッキングとして挟み込む方法などがあります。

 家の寿命を延ばすためにはお勧めしたい工法ですが、そこまでして家を建てる方はあまりいないかもしれません。もし見かけたら心意気を感じ取って差し上げてください。


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