基礎と土台


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 一般の方は、基礎と土台の違いをあまりご存知ないようです。我が家は基礎がしっかりしているとか、よい土台を使っているとか言いますが、どの部分が基礎でどの部分が土台なのか分からない場合が見られます。

 土の中に一部埋め込まれて地上に立ち上がっているコンクリートの部分が基礎です。設計図では三本の斜線で示します。その下の部分は割ぐり地業といい、十〜十二センチぐらいの石を敷き並べ、しっかり打ち固めてあります。これも基礎の一部です。一方、土台とは、基礎の上に渡された木材のことで、この土台の上に柱を立てていきます。
 基礎の上に土台を敷くのは、木造在来工法ばかりでなく、ツーバイ工法や木質系プレハブ住宅でも同じです。家の垂直、水平を厳密にするにはまず基礎を水平にし、土台を水平にすることから始まります。基礎の上端がでこぼこだと、その上に乗る土台は、正確に水平になりません。コンクリートは砂、砂利、セメントの混合物で、特に砂利を使うので凸凹になりがちです。コンクリートを打ったけで、上に土台を敷くと、基礎と土台の間に隙間の出来る不正確な工事となります。そこで基礎の上部(天端という)を水平にするために、モルタルでならすのです。基礎の上端近くに水平にした木枠の定規を取り付け、モルタルを塗ったところです。こうすれば基礎も土台も水平になるというわけです。
 基礎と土台が一直線にぴったりした状態です。このような施工は、特に優れているわけではなく、基本的な姿勢といえます。基礎や土台は、家が建ってしまうと隠れて分からなくなりますので、一般の方には判断しにくいものです。住まいは一生に何度も建てるものでもなく、また大きな費用をかけるのですから、この辺の基本的な技術にも気を配りたいものです。


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