木質系プレハブ住宅(ツーバイフォー住宅を含めて)


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 ベニヤ板を構造用合板として用いるプレハブ住宅があります。出始めのころは、ベニヤで家を建てるのを見て驚いた方も多かったのですが、今では随分普及しました。
その住み心地は既に多くの方が体験されていますが、果たして日本の木造在来工法と比べてどちらが優れているのでしょうか。そこで日本のような高温多湿の風土での気密性と結露の問題を説明したいと思います。
ツーバイフォー住宅を含めて、木質系プレハブ住宅はベニヤのパネルを使うので、ここではベニヤパネル住宅と呼ぶことにします。ベニヤパネル住宅は、ベニヤで床板を敷き詰め、そのうえに壁になるベニヤを立てます。

 室内の気密性があります。しかし壁の中の空気も密閉されてしまいます。そのため、湿気に弱く、木が腐りやすく、家の寿命を縮ませます。
また、密閉されて温度の上がった空気は、室内外との温度差によって、壁内結露を発生させ、ベニヤをぐずぐずにしてしまうことがあります。ベニヤに丸い穴を開けて通気を考えたりしますが、仕上げにビニールクロスを張るのでそれほどの効果は上がりません。

 室内の気密性が高いのは、ベニヤパネル住宅と同じです。ところが木造在来工法の場合は、床下の空気は、壁の中を自由に通って軒先や屋根から抜けるようになっています。壁の中の空気の流通を良くして、構造体の湿気をいつも抜いているのです。
建物自体が息ができ、健康で長持ちできるようになっています。これが1000年以上、木で住まいを建て続けている日本人の知恵です。壁の中の通気ができないためにプレハブ住宅が20年くらいしか持たない場合があるのは残念なことです。


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