玄関を入るとすぐに、框部分の段差が障害となるケースが多く、
 寝室がどうしても2階にしかとれない場合は、階段形状、傾斜の
 そして階段の上り下りができなくなった場合は、福祉機器の活用
 の検討、車いす使用の場合は、廊下の幅などの検討が必要とな
 ります。ここでは、室内の移動を安全でスムーズな移動ができる
 ポイントを検討していきます。
 



・玄関の入口部分には、出入りの際に雨風から守るために、庇や壁  を設けましょう。玄関の幅は、車いすの使用の場合で1800×    1800mmのスペースを確保
 しましょう。将来のことと、車いすを使用しない場合でも介助者  のスペースを考慮すると車いすと同じスペースの確保が必要かと  思います。
・床は段差をなくし、濡れても滑らないような材質・形状を選び、  水勾配をつけ水がたまらないようにしましょう。
・ポーチ部分にスペースがとれれば、車いすを拭いたり、洗浄でき  る設備や車いすや簡易スロープなどを収納できるスペースを設置  すると便利です。
・玄関ポーチには、TVモニター付きのインターホンを設置して、来  客時に対応できるようにすると、防犯上からも便利です。
・出入口にも、必要に応じて手すりの設置も検討しましょう。
 



・玄関戸は、機能性・安全性からも引き戸(片引き戸、引き違い戸、三枚引き戸)がいいでしょう。取っ手は大きめのも のを取り付けましょう。
・開口幅は、800mm以上にしましょう。又、玄関戸の下枠部分に段差が生じないようにして、車いすの接触による傷を 防止するためにキックプレートの設置とポーチ側に排水設備を設けましょう。


・内玄関に設置する下駄箱は、使いやすい位置や高さを検討しましょう。
・ほとんどの家庭の上り框部分には250〜3005mmの段差があります、この場合踏み台と手す りの設置を検討しましょう。踏み台の高さは、現在の上り框の高さの半分の高さにします。 手すりの高さは750〜 850mmが目安ですが、利用される方の身長に合わせて取り付け、 手すりの太さは32〜35mmが目安です。
・車いすの場合は、スロープの設置ですがスペース上無理な場合は、 段差解消機の設置を検 討しましょう。 
 


・廊下の幅は、杖による歩行を考え800mm以上にしましょう。車いすで曲がる場合は、隅切りをするか、850mm以上の  幅を確保しましょう。
・廊下の床面は段差をなくし、つまづきにくく、滑りにくい材質にしましょう。車いすの使用の場合は、耐久性・耐摩性 のある材質(コルク材や固めのフローリング材)にして、壁の保護のためキックプレートを設けましょう。
・転倒防止のために、手すりの設置を考え高さは、750〜850mmが目安ですが、利用される方の身長に合わせて取り付 け、手すりの太さは32〜35mmが目安です。端部の納まりは、袖が引っ掛からないように壁側に折り込みましょう。
・段差の高い部分や廊下には、足元灯の設置とスイッチは、ホタル付きでワイドスイッチを検討しましょう。





・生活の主体や寝室が2階にある場合は、階段の上り下りをするようになりますが、転倒の危険や身体状況によっては、 辛い場所になります。階段の形状はできる限り踊り場付きの回り階段をおすすめします、万が一転倒した場合でも大け がの危険性が少なくてすみます。


・階段の勾配は6/7、蹴上げ18cm、踏面25cmが一般的ですが、間取りの状況により変わりますので、急勾配にな らないようによく検討いたしましょう。
・階段の段鼻は、10?以上でないようにしましょう、出すぎるとつまずきの原因になります。又、ノンスリップをつける 場合が踏面からあまり出ないものを取り付けましょう。
・手すりは転倒防止や上り下りによる、身体の負担軽減になりますので、設置しましょう。高さは、750〜850?が目安で すが、利用される方の身長に合わせて取り付け、手すりの太さは32〜35mmが目安です。端部の納まりは、袖が引っ掛 からないように壁側に折り込みましょう。
・自力での上ることが困難で、座位がとれる場合は、階段昇降機がありますので、検討してみましょう。
・上りの部分と下りの部分に足元灯を設置しましょう。
 



・車いすによる2階への移動は、ホームエレベーターの設置を検討しましょう。コストの問題や改築による設置の場合は、他の部屋への影響がでますのでよく検討をしましょう。又、設置後の保守・点検により費用がかかるので施工業者によ く聞きながら進めていきましょう。
 



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