道路から玄関までの間には、地盤の凸凹や植木などバランス
 を崩して転倒の危険性が高い場所が意外に多くあります。
 床材や歩行の障害となる部分の見直しなど細かな配慮が必要と
 なります。又、車いす使用の場合にはスロープの設置や広さの
 確保の検討が必要になります。ここではこのようなアプローチ
 の設計と施工の検討をしていきます。
 

 ・道路と敷地の間に縁石がある場合は、スロープの設置を考えて
  見ましょう。スロープは、ホームセンターで購入できます。
  又は、建築業者に依頼をすれば設置してもらえます。
 
 ・現在もしくは将来、デイサービスの利用などを考え、福祉車両
  がスムーズに敷地内に入ることができ又は、乗り降りの際、安全
  にできるよう、駐車スペースや門の入口の幅の検討をしましょう。


縁石用スロープ



 

・床はできる限り段差をなくします。どうしても段差をつける場合は、床の色を変えるなどして明らかに段差があるとい うことが分かるようにしましょう。1段だけの段差や10cm以下の中途半端な段差は非常に危険です。
・床の仕上げは、滑りにくいもの(粗面仕上げや目地を多く取るなど)を用い、自然石の本磨き仕上げ(滑りやすい)や 飛び石などは使用しないようにしましょう。又、雨や凍結した時にも滑りにくいものとし、排水処理を十分に考慮し、 床面に水がたまらないようにしましょう。



 

・道路からの高低差の関係で、階段を設置する場合は、蹴上げ150mm、踏み面300mm以上としましょう。つまずき防 止のた め階段の段鼻は出さないようにしましょう。
・夜でも危険のないように、段差のある部分に足元灯の設置や自動点滅装置の付いた照明を設置しましょう。
・アプローチの手すりは、連続して取り付けましょう。材質は、耐久性のあるもの(アルミ、ステンレス製に被服がされ ているもの)で、とがった部分や鋭い部分がないように端部に注意をする。高さは、75〜85cmが目安ですが、利用す る方の身長にあわせて設置しましょう。手すりの直径は、32〜36mm程度です。



・スロープを設置する場合は、車椅子の使用を十分考慮して計画しましょう。スロープの勾配は、1/12〜1/15が基本で 始点と終点には、奥行き1500ミリ程度の踊り場をつけ、スロープが長い場合は、途中にも踊り場を設けましょう。
・階段、スロープ幅は900mm以上で、その両側には車いすが飛び出さないように縁石や手すりなどで保護し、縁石の 高さは50mm以上にしましょう。又、パーキンソン病や腰痛の方はスロープが適さない場合があるので、利用する本人 の動きを観察してみましょう。
 

 


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